レンズを向けて

Journal & Reflections

人生で一番写真を撮った、2025年
2023年12月に愛蔵するアンティークガーメントを美しく写真に残したいと思い「SIGMA fp」というミラーレス一眼レフカメラを購入しました。
一眼を買うのは、じつに10年ぶり。


小さくて軽いこと、フルサイズであること、そして多くのユーザーが「使う人を選ぶじゃじゃ馬」であると口をそろえて評価する点に惹かれたのです。
歴史的な衣服を撮るためにfpを買ったので屋外に持ち出すことはほとんどなく、1年と半年は自室で使用していました。

ある日ふいに「せっかく小さいカメラなんだし外に持ち出してみるか」と思い、中古の安いマニュアルレンズを付けてからカメラ沼に沈んでいきます。
それが2025年の夏ごろでした。


撮るのがすごく楽しい。
マニュアル撮影が楽しい、fpというカメラが楽しい。

途中ダイヤル不良によりfpから高画素機である「fp L」への乗り換えもあり、歴史的な衣服を撮影する満足度が格段にアップしました。

趣味の撮影にマニュアルレンズを使ううち、自然と「オールドレンズ」にも手が伸びていきました。
初めて「Jupiter9」で撮った夏の日は忘れません。今では「Helios44」は使用頻度がもっとも多いレンズとなっています。
オールドレンズの「開放」で撮れるユニークなボケのある写真が好きで、絞ることなんて考えたこともありませんでした。

その嗜好は「宮崎光学」という、職人が再構築した歴史的なレンズとの出会いを、より衝撃的なものにしたことは間違いありません。

 

 

宮崎光学 MS-OPTICS HISTORIO-DAGONAR 40mm F6.3

今回のBlogは「宮崎光学」というレンズメーカーについて書きたいのです。
年末年始なのだから本業の展示活動や研究成果について触れておくべきだと思ったのですが、2025年を振り返ったとき、このレンズやカメラについて書きたかったんです。

カメラ初心者の私が、宮崎光学のレンズをひと言で表すなら「空気」です。
それは「その場の空気感までも写す」みたいなことでなく、物理的に軽い。軽すぎる。
このDAGONAR(ダゴール)というレンズはわずか「50g」です。

fp Lというカメラも軽くて有名なため、fp Lにダゴールを付けると総重量は500gを切ります。

 

初めて知る、F6.3という世界

中華レンズでもオールドレンズでも開放で撮ることが当たり前だった私に、F6.3は別世界。

絞ることの面白さを教えてくれたのが宮崎光学のダゴールでした。
F8やF11に絞ることで影が現れることに気付きます。光なくして影は生まれません。
ダゴールとともに光を追いかけました。

 

 

 

実感した「軽さは正義」

よく言われるフレーズですが、気軽にカメラを持てることは大きなメリットでした。
カメラに触れる機会が格段に増え、fp Lへの理解も深まりました。

ただ、身近ゆえに「慎重に撮る」ことを心掛けるようにもなりました。
いつでも撮れるからこそ、レンズを向ける前に、今私が撮るべきものかを少しだけ考えます。

fp Lはゆっくりなカメラです。ダゴールもゆっくり撮るのに向いていると思います。
手軽に持ち運べるけど少しの「思考する時間」を与えてくれるところが好きなのです。

 

きっと私の仕事が技術職だから、そんな撮り方になっているのでしょう。
技術があると何でもできる。できるからと何でもやると、技術は価値を失う。

 

 

 

 

 

初めての宮崎光学が、ダゴールで良かった

ダゴールは、宮崎光学のなかでも手に取りやすい価格帯のレンズだと思います。
なにより公式オンラインに在庫がまだあるのが珍しいです。

マニュアルでの撮影やオールドレンズの描写に夢中になっていたタイミングで、ダゴールを手にして「撮ること」の奥深さを知ることができました。

始めは中望遠レンズを探しているときに、友人から「SONNETAR 73mm F1.5」というレンズを教えてもらい宮崎光学に興味を持ちましたが、残念ながらとうの昔に完売。

いつか手に入れたいレンズのひとつとして、胸にしまっていました。

 

そして、手に入れたSONNETAR(ゾンネタール)

宮崎光学のInstagramに8年ぶり?となるゾンネタール73mmF1.5再販の告知。
このチャンスを逃すまいとGetしました。
丁寧にメール対応してくださった宮崎光学のスタッフさんには感謝しかありません。


上記写真は大晦日の早朝。洗濯カゴに侵入してきた三男。
窓から射す早朝の日差しとともに、ゾンネタールでパシャリ。

そして下記はゾンネタールを手に入れたその日に撮った渋谷の街。
白飛びしているけれど好きな写真です。

 

開放

 

F5.6くらいまで絞ったような

 

開放


このときは2025年12月、ちょうど東京での最後の展示でした。

展示会場に向かう途中、足早にシャッターを切る。
なんか上手く撮れないな...と思っていましたが、帰宅してPCで見るとなかなか好み。

ゾンネタールのぼやっとした滲むような描写に憧れていました。撮影初日からすごく好きなレンズになりました。

 

いつもの散歩道を73mmで切りとる。



 



コサギの写真↑は5倍にクロップして撮っています。

ダゴールは絞るのが楽しく、ゾンネタールは開放で撮るのがやっぱり楽しいです。
つまり、宮崎光学のレンズ、とても楽しいです。
オールドレンズが好きな方やマニュアルでの撮影が好きな方、一本いかがでしょう。おすすめします。


さて、思わぬタイミングで2本目となる宮崎光学を手に入れる少し前のこと、とあるオールドレンズもお迎えしていました。


 

 

Carl Zeiss Tessar 40mm F2.8

筆跡を残したようなタッチ、点で置いたような光の粒。
被写体のみが解像し、印象派絵画のなかに取り残されたような不思議な描写。

ドイツの光学メーカーCarl Zeiss(カール・ツァイス)のTessar(テッサー)が写す世界です。

ダゴールのF6.3という暗さに魅了されたと同時に「40mm」という焦点距離もまた、私にはぴったりの画角でした。
そこで明るい40mmも欲しいと思いはじめ、当初はフォクトレンダーのNOKTON 40mm F1.2を狙っていましたが、自分に使いこなせるのか疑問が残り購入には至らず。

そこに飛び込んできたのが、このテッサーでした。

 

開放F2.8

 

オールドレンズのため値段もお手頃&年末セールにより1万円台で購入。

40㎜という焦点距離はオールドレンズの中では数が少なく、明るさもF2.8もあれば充分に思えました。
これは買いだろうと思い購入し、大正解。

ダゴールと同じ画角なのにまったく異なる画を写しだすレンズです。

 

 

 

ただ残念なことに購入早々に、絞りのパーツを壊してしまったんです。
それもゾンネタールを購入した日にです。喜びと悲しみに大きく揺さぶられた1日でした。

なので私のテッサーは、現在「開放オンリー」
開放だけでも充分に楽しめてはいますが、どこかのタイミングで修理に出さねばいけません。

 

2025年末に、大切な仕事仲間もミラーレス一眼デビューしました。

初めての相棒に選んだのは、富士フィルムのX-E5と7artisanのマニュアルレンズ。
本当におめでとう!

今年2026年も写真を撮ります。が、ただ撮るだけではなく、フォトウォークなるものを開催してみたい。
冊子をつくってみたい。など、積極的にカメラを楽しみたいと思います。

 

 

 


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