10年越しの、ベレー帽

10年越しの、ベレー帽

Portraits

30代も半ばを過ぎて、ふと「帽子が似合う大人になりたいな」と思ったんです。

私の展示に来てくれるお客さまは、自分のスタイルを持った方が多く「シャン」と帽子を被る姿に、一種の憧れを感じていました。

10代のころは帽子が好きでたくさん集めていたのに、いま手元にある帽子は、子供たちと遊ぶとき用のキャップだけ。


37歳になった自分にも似合う、格好いい帽子を被ってみたい。
そういえば、父親はいつもベレー帽を被っていたっけ...


そんなときに思い浮かんだ帽子ブランドがcauda(コーダ)でした。

caudaの帽子は初めましてですが、デザイナーのかなみさんとは何度目ましてでしょう。
もう10年以上前からの顔見知りです。

10代後半から20代の前半まで、私の中心は高円寺にありました。
高円寺という街で、古着を見て、古着に触れ、古着を学び、古着から学んだんです。


そんな高円寺のとある古着屋で「蝶のように舞い、ガチ勢を刺す」人物が、かなみさんでした。


画像引用:militaria_tokyo

私が若かりしころに通い詰めた古着屋、それがencore(アンコール)とMILITARIA(ミリタリア)です。
どちらもゴテゴテのビンテージを扱う骨太なお店です。

そんなMILITARIAに彗星のごとく現れ、明星のように輝いていた名物スタッフが、かなみさんなんです。

2017年ごろからMILITARIAのInstagramには、着こなすのが難しそうな軍服にサラっと袖を通し、目を惹くポージング(バレエ経験者)を取るかなみさんが登場します。

2026年の今でこそ「へ~。面白いブランディングじゃん」と感じるかもしれませんが、当時それはセンセーショナルな「事件」でした。

ヒゲを蓄えた無口なオジサマが営んでいるような古着屋で、ビンテージに身を包んだかなみさんが、明るく笑顔で声を掛けてくれるのですから。事件なんです。


2026年現在、アトリエで帽子を製作するかなみさん

気付けば自身のライフスタイルも少しづつ変わっていき、週8で通っていた高円寺にも、いつしか年1で行くくらいの距離感になっていきました。

そんなころに、かなみさんの退職報告もあり、もうお会いすることもないのかなと思っていました。


が、なんとビックリ。
2020年、かなみさんは帽子ブランドcaudaを立ち上げたのです。
さらに驚いたのは、かなみさんが「デザイン・パターン・縫製」まで、すべての工程をお一人で手掛けていることです。

私にはインフルエンサー的な販売員の印象が強く、まさか「帽子職人」にジョブチェンジするなんて想像もしていませんでした。


後に公開されたJBpressでのインタビューを拝見し、かなみさんのバックボーンを知ることとなりました。


かなみさんにベレー帽をフィッティングしてもらう長谷川

caudaのデザイナーそして帽子職人になったかなみさんの活動をSNSで拝見していくなかで、私はかなみさんにメッセージを送りました。

caudaの普遍的なデザインのなかにある主張し過ぎない遊び心、そして毎日被りたくなるナチュラルな表情に惹かれていたんです。


そして、今年1月。
8年?9年ぶり?に、かなみさんに再会しました。

開口一番、いったい何年ぶりだろうね~??と口を揃えての再会となりましたが、お互いの活動は認知していましたし、なにより「同じビンテージを見てきた古着仲間」だったから、話しはスムーズに進みました。


かなみさんのcaudaと、私のブランドgawa(がわ)のコラボレーションというかたちで、gawaオリジナル生地を使用して、ベレー帽とカンカン帽をつくることになったのです!


クズリフランネルNo.9で仕立てたベレー帽

去る3月の半・分解展で、コラボした帽子たちをお披露目し、ベレー帽はすべて完売!
カンカン帽は、各1サイズのみが残りました。
(カンカン帽はこちらで販売しております)


caudaの帽子が半・分解展のお客さまに選ばれた理由は、いったいなんだったのだろう。

改めて考えてみると、それはきっと「つくり手の想いが明確に表れている」からだと感じます。

ぜんぶ一人でつくることは、数は多くできないけど、愛情をたっぷり注げるでしょう。
私もつくり手だから、それは間違いのないことだと分かります。

半・分解展のお客さまは、そうした目に見えない「想い」を受け取ることが、好きで、得意な方たちなのだと思います。


コラボしたベレー帽を被る長谷川。ご満悦。


そして印象的だったのが「帽子は似合わない」と話していたお客さまが、かなみさんにフィッティングをしてもらうと、表情が明るくなり「被ってみたい!」と気持ちが変化していった様子です。

位置や角度を少し整えるだけで、その人の頭に自然と馴染んでいく。
それは芯地の選定や縫い方が、普通の帽子とはちょっと違うから。
優しくて柔らかいcauda独自の製法になっているのです。


その姿を見て、caudaがつくっているのは帽子そのものだけではなく、人と帽子の関係なのだと感じました。


そして、来る11月-12月の展示。

半・分解展【ジェントルマン・スタイル】では、caudaとのコラボベレー帽の新作たちをお披露目します。


今回はコラボ帽子の販売だけではありません!

caudaデザイナーかなみさんを迎えてのトークイベント【奏でるのは、人と帽子の関係性】をおこないます。

トークイベントでは「caudaの帽子づくり」について、デザイナー本人から言葉を紡いでいただきます。
「職人」として生きる喜びや葛藤、ものづくりの哲学にも触れていきます。

帽子のみならず、きっと、かなみさんの人柄にも惹かれることでしょう。

イベント後にはベレー帽のフィッティングを体験していただく時間も設けております。
帽子に関する悩みごとや、ご相談があれば、この機会にかなみさんに投げかけてみてください。

トークイベントの参加チケット販売中です。

席数に限りがありますので、気になる方はどうぞお見逃しなく。

・イベント詳細・

会場|ジェントルマン・スタイル会場内(MAP)
日時|11月17日(火)11時開始 12時ごろ終了(10時半より入場可能)
定員|30名
参加費|1,500円
☆終了後は13時まで、一般開場前の展示会場をゆっくりとご覧いただけます。

※トークイベントへの参加には「ジェントルマン・スタイル入場券」と「トークイベント参加券」の両方が必要です。

すでに入場券をご購入済みの方は、追加1,500円でご参加いただけます。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております。