クリノリンヴィジット【一点物】
1870年フランス「クリノリンヴィジット」を井桁模様の着物生地でつくりました。
クリノリンヴィジットの歴史やデザインについてはBlogに詳しくまとめております。
ぜひ合わせてご覧ください。
私はこの一点物を、親しみを込めて「カエルちゃん」と呼んでいます。
なんといっても生地が可愛いんです。
ミントグリーンの爽やかな色味に、まるでカエルが足を開いているかのような井桁模様(遠目にそう見えませんか?)
クリノリンヴィジットのたっぷりとしたボリュームのうえで自由に飛び跳ねているようです。
表地:ヴィンテージ着物生地 ウール素材
シャリ感のある着物生地を裏地を付けずに1枚仕立てでつくりました。
サッと、かるく羽織ることができます。
オールシーズン着られそうな丁度いい厚みの生地ですが、特に春や秋ごろに活躍するでしょう。
裁断をする前に弱縮絨(生地を縮めて安定させ強度を増す)をほどこしたので、ガンガン着ていただいて大丈夫です!
シルクタッセルと茶蝶貝釦
デザインポイントとして背中部分には、ライムグリーンのシルクタッセルと艶のある茶蝶貝の釦をあしらいました。
動くたびに揺れるタッセルと品よく輝く貝釦が目を惹きます。
ポケット
左右の腰にスマホがすっぽり収まるサイズのポケットが付いています。
やっぱり上着にはポケットが必須ですよね。
使い勝手も良いヴィジットに仕立てています。
つなぎ目
幅の狭い着物生地で仕立てた為、いたるところに " 生地と生地のつなぎ目 " ができています。
現代の幅の広い生地ならこんな縫い目はできません。
しかし実は、19世紀のヴィジットにもつなぎ目がたくさんあるのです。
当時は70cmほどの生地幅が主流でしたので、生地をつなぎ合わせて仕立てていたのです。
偶然にも着物生地を使ったことで当時と同じような縫い目ができました。
生地を余すことなく使うために、つなぎ目の部分は「生地の耳」を通しています。
着物に合わせても...
クリノリンヴィジットは、ボリュームがあるので非常に着心地が良いです。
なんと着物のうえに羽織ることも出来ます。
衿を抜いて整えてもらえれば、いにしえの和洋折衷スタイルが完成します。
お手入れ方法
縫い付けているシルクタッセルを外せば、ご自宅で水で手洗いが可能です。
外すのが難しいようでしたらドライクリーニングをご利用ください。
このクリノリンヴィジットは「サイズ3」で製作しています。
Blog内のサイズ3の試着写真や動画を参考にしてください。
まさか、フランスのクリノリンヴィジットを日本の着物生地で仕立てるなんて、19世紀のヴィクトリアンレディが見たら驚くでしょうか。
いいえ、実は当時からヴィジットは「ジャポニスム」の文脈でつくられていたのです。
フランスのマチルド皇女は、小袖地でつくられたヴィジットを着ていました。
ぜひあなたも歴史のなかの1着に袖を通してみてください。